新作ゲーム 完成までの道のり【ゲームマーケット2019秋】
お久しぶりでございます!CreaGemのほんざわです。
ブログの更新、またしても1ヶ月ぶりです(汗)
書くことがなかったわけではないんです!先月から今月頭にかけては、やることが本当に多くて・・・
「忙しいけど気が向いたらブログでも書くか・・・」と思っていたら、なんと全く気が向かなかったんですよね。(爆)
と、まあ冗談はさておいて本日のお話はこちら!
新作ゲーム 完成までの道のり
まずはこれを言わせていただきたい。
新作ゲームのデータ入稿終わりました!!
いやー長かった。本当に大変な期間でした。これで私も晴れて自由の身。
ゲーム案を企画したのが本年7月頃で、そこから実に3ヶ月間デザインとイラスト作業に没頭しました。2ヶ月前と比べて私の指先のペンだこは3倍くらい大きくなりました。
めちゃくちゃ大変でしたが、全て自分で自分に課していることですから「辛い」とは思いませんでしたよ。しかし、ちょっと詰め込みすぎたかなぁって気がします(汗)
そんなわけで今回は新作ゲーム「マスターさん つぎ、どうします?」が出来上がるまでのプロセスを理由と共にご紹介。
(↑パッケージ、前回の告知からデザイン変えました!)
①立案(7月)
ゲームのシステムをなんとなく思いついてからまず最初にしたことはプレゼンの準備です。プレゼンと言っても本当にざっくりとしていてほとんど雑談の延長みたいなものですが。私の場合、パワーポイントでそれっぽく考えていることをまとめて相方のコウノ君に伝えるということをしています。その一部分がこちら。
漠然と頭の中にあるイメージをそのまま書いているだけと言う感じです。(ちょっとお見せできませんが、本当はここに商戦的なことやターゲット層なんかの話もしています・・・!)
先程も言いましたが本当にざっくりですし、実際計画を練っていくと大幅な変更も多々あります。
「なにもパワポまでしなくていいんじゃない?笑」と思ったそこのアナタ。正直、私もそう思います。(笑)
では何故私はこんなことをしているのかと言うお話ですが、これは一番最初の「アウトプット作業」なんです。実際、ただ頭の中で考えているときとそれを他人に話すときでは、イメージの質がまるで違います。
プレゼンの準備中に自分自身でルールに疑問を抱いたり、矛盾点を見つけたりできますし、マーケティングについて何も考えていなかったとしてもこうした執筆の過程でなんとなくイメージする場を設けることができるという良さがあります。
個人的な話、私はいつも考えが頭の中で肥大化してくるとどんどんイメージがあらぬ方向へ一人歩きしてしまう癖があるんですね。(事実そんな方、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。)
モノ作りをする方は経験あるかと思いますが、自身でなんとなく良いアイデアが浮かんだなと思ったときは「それならアレもできるな」「ってことはコレもできるな」と言う具合に一旦考えが膨らんでいきますよね。そしてその内のほんのいくつかのアイデアが採用され、応用されて最終的なモノが出来上がる。
私はこの過程が苦手といいますか、膨らんだアイデアの方が今度は先行し始めて「だったらルールごとこういう風に変えちゃえばよくね?」みたいなことを繰り返してしまって・・・いつまでも根底が宙ぶらりんになってしまいがちです。
ですからまずは早々に考えをまとめる。そして自分の中だけでなく、文字にすることでイメージを確立させる。絵も含めてね。
この手段として私はまずパワポを作ってみる!ということをしているわけです。
②デザイン・イラスト作業 (6月〜9月)
プレゼン後、ゲーム設定をさらに詰めていくわけですが、私の場合はこれまたぼんやりと考えながらとりあえずイラスト作業に取り掛かると言う手法で進めました。なので、テストプレイをしてゲームを固めてからイラストを一気に仕上げると言う感じではなかったんですね。
本来テストプレイの段階では、ゲームの雰囲気だけ把握するために数枚ラフで仕上げて置けば全然良いのですが、今回の制作では「ゲーム設定はなかなか固まらないわラフ絵は拘りすぎるわ」で無駄に時間を掛け過ぎました(泣)
色だの集中線だの、正直この段階でそんなところまで時間割いてる場合ではなかったです。
その結果ある程度の詳細設定とラフ画が終わってから始めてテストプレイをしたのがなんと8月末でした。いくらなんでも遅すぎますね(爆)
最終的に出来上がったカードはこんな感じになっております。
(↑こんな感じで、計75種類ほどのイラストを用意しております。)
トレーディングカードとなるとどうしてもテキストが長くなってしまいますが極力“簡潔に分かりやすく”を意識しています。
この「分かり易くする」というのがゲームをデザインしていく上で永遠の課題です。ゲームが簡単すぎるとつまらないし、いろいろあり過ぎてもダメ。なにより終始よくわからないままゲームが進んでいたらしっかり最後まで遊んでもらえません。この程よいシンプルさと言うのが本当に難しい。
「いやいや、インストがめっちゃ時間かかるゲームもあるよ。私はむしろそっち派よ?」とおっしゃる方もいるでしょう。それも確かにその通り。世に出回る数多くの有名ゲーム、特に1プレイに1時間かかるレベルの“拡大生産系”と呼ばれるゲームは、だいたいがこの“インストが長くて最初の理解が大変なゲーム”です。その分、プレイが始まったときの楽しさも半端じゃないと。
しかしながら、少なくとも我々が今現在目指しているゲームと言うのは、あくまで分かりやすくとっつきやすいものなんです。そこに拘る1番の大きな理由は「ゲームマーケットの現場で我々が直接みなさんに説明しながら遊んでもらう」と言うところ。
当然ながら試遊台で遊んでいただける時間には限りがあります。1組様あたり10〜15分と考えて、より濃く遊んでもらうためには早々にルールを理解してもらう必要がありますよね。今作はその点を強く意識した作りになっているのです。
あとは、私のこの絵柄をどれだけの人が「かわいい」と言ってくれるか・・・!ここにかかってます!(震)
前に別の記事で考察した通りですが、絵柄はまじで重要です。人を惹きつける1番最初の入り口は、まず間違いなく“見た目”ですから・・・!
③テストプレイ・バランス調整(9月〜10月)
さてさて遅いも遅い8月末。3人以上いなければそもそも遊べないこのゲーム。テストプレイをするのはたった2人の男たち。
コウノくんと2人で集まった我々CreaGemでございますが、仕方がないので私ほんざわが1人2役。あたかもその場に3人いると言うことに致しましていざ最初のテストプレイが始まります。
まあ自分が作ったゲームですから自分が面白いと思うのは当然として、ここで私が見なければ行けないのは相方コウノくんの反応でございます。なんだか分かり辛そうな表情、時折見せる楽しそうな笑顔。ああ、愛おしい。(ホ)
実際ここで「うーん、なんだかなぁ」と言う感触ならシステムの根幹からいじる必要が出てきますから、今回の我々のような“テストプレイ後回し作戦”は本当に極力避けるべきです。今作に関しては自画自賛じゃないですけどテストの結果だいぶいい感じだったので、細かく詰め直す程度のことで済みました。2人で3人分演じる悲しみはありましたけどね。(笑)←念のためお伝えしておきますが、後日友人の助けを借りてしっかり最大人数でテストしておりますのでご安心を!
具体的なテストプレイの方法ですが、いろいろな方法があると思います。私の場合はカードデータをワードに打ち込んで印刷するというやり方。
↑こんな感じで1枚ずつカードの大きさに切り分けて遊んでみるわけですが、ラフ絵に色まである程度塗っておくとこうやってテスト用に印刷してみたときの感動が凄いんです!とにかく雰囲気が分かりやすいので、制作が長期に渡るときはモチベーション維持の役にも立つでしょう。(しかし今回は最後の最後で結局自分の絵に納得がいかなくて、ラフとは全く違う絵で入稿することになりました。時間がないときにはこんなことやるもんじゃないですね。)
それからコマやチップ・ミープルなどを使うゲームの場合には、実際に通販やゲームショップで安く買い揃えて見るといいかも知れません。
特に私は“見た目から入りたいタイプ”の人間なので、上記のラフにしてもほかのコンポーネントにしても、テストの段階からある程度完成しているものを用意したい衝動に駆られるんですよね。ただの紙をコマに見立てるより本物持ってきた方がイメージ湧きますよ。マジで!
「でもそれ時間かかり過ぎ。テストの意味ないじゃん」って言われてしまったらそれまでなのですが(泣)どうしてもモチベーションと時間が噛み合わないことって多々ありますよね〜・・・。
④データ入稿
10月に入ってようやくデータ入稿の作業です。今回も大変恐縮ですが業者様に数多くのご指摘を頂きながら何度も入稿作業を繰り返しようやく完了しました。ひとつだけ制作の段階から気をつけていたことがありまして。それは「塗り足し」の存在です。
この塗り足しと言うのがちょっと大変なんです。印刷業者さんが実際にデータをカード等に印刷する際に文字やイラストが端で切れてしまわないように、少しだけ(2〜3mmくらい)デザインを内側に逃がしておく必要があるんですね。要は切れてしまってもいい余白を用意すると言う行為なわけですが、初めて入稿作業をしたときはもちろんそんなこと気にしていなかったので、一度完成したデータ全てに新たに余白を追加した覚えがあります。
これは印刷関係の業界の方にとっては当たり前のことなのかも知れませんが、最初に知った時は結構焦りましたね。「データ全部書き換えじゃん・・・!」て感じで。そんなことがあったので今回は予め余白分のことも考えてわざと文字を大きくしています。極力見やすいように。
それから今になってもどうも慣れないのがイラストレーターやフォトショップの類ですね(泣)例えばイラレならイラレで印刷会社さんが始めから用意して下さっている“テンプレートファイル”と言うものがありまして、このファイルを開いてその中に自分が用意したデザインを当てはめて保存し、まとめて圧縮して提出すると言う作業が必要なわけです。
普段からイラストレーターやフォトショップで絵でも描いていればいいのですが、私は毎度この入稿作業のときにしか触らないので結構手こずってます。
それからかなり最近の話ですが、ポスターも作りました!
ポスターの用意は今回初です・・・!前回のゲムマで他サークルさんに圧倒されたことはなんでもマネしていくスタイル。
↑こちらが今作のポスターとなります。デザインはコウノくんです!
会社さんにもよると思うのですが、前述のイラレ作業と比べるとこっちはめちゃくちゃ楽です。画像の寸法と解像度さえ合っていれば、テンプレートファイルのダウンロードなど要らずそのままネット上で作業が完了します。
ちなみに私はビスタプリントさんを利用させて頂いております。
名刺印刷、販促グッズ、簡単作成|ネット印刷通販のビスタプリント
もちろんポスターの他、名刺やシール、マグカップ、Tシャツなどいろいろ作れます。
⑤今後の過程
さて、長々とやってまいりましたが、10月23日現在我々が新作のために活動してきた内容は以上で全てです。
そうです。まだ手元に実物届いてないんです。(汗)
実物が届いたら梱包作業が待ってます。前回の「黒蛇神社」の時は手作業でバラバラのチップを65枚掻き集めて1セットにまとめる作業を約70セット分1人でやったのでめちゃめちゃ大変でしたが、今回はカード束と紙を折る作業だけで済むのでちょっとはマシ?でしょうか。
それからそれから、前話題に挙げた紹介動画の作成も今後行う予定です!そちらの方はまた後日ご紹介できればと思っております。
まとめ
以上で今回の記事は終了となります。こんなブログがいったいどんな方の何に役立つのか分かりませんし、そもそもここまで読んでもらえているのかさえ甚だ疑問ですが、これもまた自らの考えを文字に起こしてまとめるいい機会だと思い日々続けております。
私がこうして重い腰上げて約1ヶ月ぶりのブログを書いているのに対し、相方のコウノくんは毎日何かしらの記事をアップし続けています。本当に自分でやってみて分かりましたけどブログって大変な作業です。毎日ブログ更新して稼いでらっしゃる方々はマジで凄いと思います。しかも1日1記事じゃ済みませんからね・・・!
最後にここまで読んで下さった皆さんだけに特別に教えちゃいます。このゲーム、2000円です😘(←ゲムマ会場限定価格)
それではまた次回お会い致しましょう!さようならっ
ブログ主
アナログゲーム制作サークル「CreaGem」
【デザイン・イラスト】 ホンザワ
twitter: @CreaGem_honzawa
新作ゲーム紹介〜多数決で行動するカードゲーム〜
こんにちは!CreaGemのほんざわです。
さて、またしてもひと月近く更新しておりませんでした当ブログでございますが(泣)
本日は新作ボードゲームについてご紹介します!
既にもう何度かアナウンスしておりましたが、今一度パッケージイラストをご覧ください。
ゲーム名:マスターさん つぎ、どうします?
ジャンル:カードゲーム
プレイ人数:3〜5人
所要時間:20分〜
ゲームの概要
このゲームは、複数のプレイヤーが協力してNPCを倒すという仕様の協力型カードゲームです。
※一般的なトレーディングカードゲームとは異なり対人戦ではありませんのでご注意を。
プレイヤーは味方のモンスターたちに行動を指示する「マスター」となって、共に宿敵であるマオウサマの討伐を目指します。
↑味方モンスターの1体「ビースト」
↑対戦するNPC「マオウサマ」
ターン制のゲームで、毎ターンマオウサマが仕掛けてくる様々な攻撃に対し、それをどう処理するかをみんなで考えます。
早い話、モンスターvsモンスターの王道RPGをイメージして頂ければOKです。
味方のモンスターたちと言うのは、先程のパッケージイラストの5体のことです。それぞれに得意とする行動が異なり、攻撃や防御、回復などを中心に様々な手段で敵と戦っていきます。
↑イメージ:ゲームで使用するプレイシート。左から順番に「ドラゴン」「マーメイド」「カーバンクル」「スピリット」「ビースト」の5体が登場。
特徴・システム
モンスターに行動を指示するとは言っても、ポケ◯モンやドラク◯エのように1人でプレイして1人で全ての行動を決定するわけではありません。全プレイヤーは一斉に思い思いのモンスターへ指示を出し、その結果最も指示の多かったモンスターが行動することになります。
言うなればこれは多数決カードゲームですね。
多数決と言ってもまだちょっとピンとこないと思いますが、要は相手(マオウサマ)の行動に対して「この攻撃は防御すべきだ!」「いや、ここは攻めないと!」という具合にそれぞれの意見を投票していただくわけです。もちろん、話し合ってはいけません!
例としてこちらをご覧下さい。
これはゲーム序盤、まだ味方のモンスターが「ドラゴン(左)」「カーバンクル(中)」「ビースト(右)」しか解禁されていない状態での盤面イメージです。
左上のオレンジ色の数字カードは自分たちの体力、右上の紫色の数字カードがマオウサマの体力を表しています。
プレイシートの上部に4つのステータスが表記されていて、それぞれ現在の値の上にコンポーネント同梱のカウンターチップを置いておきます。(このイメージでは黄色い丸で表しています)
「スペシャル」は、各デッキの上のカードを破棄して次のカードをめくったりすることができるもので、ゲームを有利に進めることができるポイントの残数です。
「タイムカウント」は毎ターン0に向かって進んでいく“制限時間”です。0になるとゲームオーバー。
「ペナルティ」は毎ターン多数決で行動が決まった後、行動に繋がらない指示を出してしまったプレイヤーの数だけ溜まっていきます。15まで溜まってしまったらゲームオーバー。
「レベル」はその行動をするために必要な条件です。レベルが足りていないと多数決で決定した行動も成立せず、ペナルティが発生してしまいます。
シート中央に置かれているカードが、このターンマオウサマが繰り出してくる行動で、右側のカードは次のターンにマオウサマが取る行動です。このターン、マオウサマから7点というまあまあ痛い攻撃が飛んできます。さらに「攻撃してきたらお前のレベル下げるぞ」というオマケ付き。さてこの状況どうしましょうかと言う話になりますが、意外と人によって意見が別れるわけです。
「敵の体力残り少ないし制限時間もあるから・・・ゴリ押しでドラゴン一択でしょ」という意見も正しい気がしますし、「次のターンは敵からダメージがこないから・・・とりあえずこのターンはカーバンクルかな」というのも正解な気がします。
このような思考を毎ターン繰り返し、ノーマル→ハード→レジェンドの3つのモードを走破することができればゲームクリアとなります。
進捗状況について
そんなわけで、なんとなくこのゲームについてご理解いただけたかと思います。が、しかし!実はこのゲーム、まだ委託業者さんにデータの入稿ができていないんです(汗)
もう9月も3分の1が終わったというのに、やることがまだまだ残ってます。
私ほんざわと相方コウノで手分けしてイラストの清書作業、説明書のデザイン、入稿、ホームページ、フライヤー作成、紹介動画・・・この辺を急ピッチで進めておりますが、まぁやばいです。いやもう、結構やばい。(爆)
毎日2枚くらいカードの清書をしていますが、なんかこのゲーム作り始める前と比べてペンだこが3倍くらい大きくなりました。出来ることならペンにプチプチの緩衝材とか巻きたいですね。
あとテストプレイもまだまだ試行回数が足りません。僕らだいたいファミレスで集まるんですけど、テストプレイに付き合ってあげてもいいよって人いませんか?マジな話、ドリンクバー奢りますよ。
それから先日、ゲームマーケットのカタログ用サークルカットが完成しましたので、ご覧下さい。
↑実際のカタログにはモノトーンで掲載されます。
最後に。我々CreaGemは現代社会をときめく多忙な社会人ですが、短い作業時間でもなんとかやっております。この活動は大変ですけどめちゃめちゃ楽しいです。
この楽しさをゲムマ当日の会場で皆さんに振り撒きます。試遊台も用意してますので、ちょっとでも気になったあなたは是非、遊びに来てくださいね!
それではまた次回!
ほんざわのツイッター
@CreaGem_honzawa
コウノのツイッター
@takelogkouno
アナログゲームが1つできるまで〜初心者が0からボードゲームを創った体験談〜 後編
こんにちは、CreaGem(クリージェム)のほんざわです。
前回の投稿からまたしても2週間近く空いてしまっております。
お盆だったし、多少はね?
さて、前回に引き続き我々CreaGemがほぼ知識ゼロの状態からカードゲーム・ボードゲームを創るに至るまでの過程を書いていきます。
目次
①ゲームを作ることになったキッカケ
②ゲームの企画
③委託先の選定
④販売価格
⑤東京ゲームマーケットへの出店手続き←今回はココから!
⑥ゲームマーケット参加
⑦まとめ
※前回の記事は1つ前にすぐありますので、ご覧頂いてない方は是非1度ページを戻って頂ければ!
⑤東京ゲームマーケットへの出店手続き
まず最初にご注意頂きたいのは・・・
私のこの一連の記事では、「東京ゲームマーケットに出店するところがゴール」みたいな書き方をしています。
と言うのも我々、お恥ずかしながら一般のボードゲーム関係者様たちのオフ会やゲームカフェさんが主催してらっしゃるような試遊イベントなどには参加したことがないんです。本当は出たいんですけどね(泣)
なので、何も知らない方の為に誤解がないように申し上げておきますと、ゲームマーケットじゃなくても自作ゲームを披露できる場はたくさんあります。前述しましたがボードゲームカフェさんが主催してらっしゃるオフ会なんかは非常に魅力的です。我々も本当に気になっております(泣)
それを踏まえた上で東京ゲームマーケットさんの話をさせて頂きます。ホームページがめちゃくちゃワクワクするので是非ご覧頂きたい。
こちらのホームページにある通り、ゲームマーケットは「電源を使用しないアナログゲームのイベント」です。ゲームのみならず、ゲームに使うダイスやカードホルダー等の小物類、キーホルダー、TRPGの台本など、ここで手に入るものは多岐に渡ります。我々のような一般出店だけでなく、企業出店のブースももちろんあります。
本題の出店手続きについてですが、いくつかステップがありまして、まずは申し込みフォームから必要事項を入力して送信。希望の出店ブースの規模と日程を選択します。どんなブースがいいか分からないと言う方は、とりあえず試遊台アリのブースにしておいた方が無難かなと思います。(後述します)
応募は抽選制で、応募受付は第1部と第2部に分かれています。1回目抽選漏れしてもまだチャンスあります!
ちなみにこの記事を書いている2019年8月現在、ゲームマーケット2019秋の抽選が全て終了したところですが、なんと今回は応募した方全員が希望通りの内容で当選しているそうです。凄いですよね!出店希望者が少なかったから?いやいや、この業界は年々出店者来場者共に右肩上がりの傾向にありますのでそれは考えにくいです。運営の皆様が頑張ってくださってる証拠なんですよこれは!本当に感謝です。
当選後、ゲームマーケットの出展者用サイトにログインしてゲームマーケットのパンフレットに載るサークル紹介イメージを入稿します。入稿といっても、実際やっていることはゲームマーケットのホームページに閲覧用の画像を載せるだけです。後はその画像を運営さんの方でパンフレットに載せて下さいます。※ちなみに出店者は後日出来上がったパンフレットをいち早く入手できますよ。
ホームページへの入稿手順等はメールで分かりやすく説明して下さいます。出店名や日付の記載に関してもテンプレートに当てはめるだけで大丈夫なので、印刷時のデータ入稿に比べれば楽勝だと思います。
ちなみに我々CreaGemのパンフレット掲載イメージはこちら。
次に製品の搬入方法ですが、当日現地へ自分で持って行く以外に「郵送しておく」という手段があります。我々は合計約130部の製品をキャリーケースに入れて自分で運びましたが、まぁなかなか大変です。(笑)
ちょっとそれは・・・という方は是非この郵送手段をお試し下さい。委託業者様自体はゲームマーケットさんとは別口ですが、こちらもゲームマーケットさんのメール内にてガイドして下さいます。この辺、本当に親切です。
当日が近づいてくるとパンフレットと出店者証、当日の注意事項等のガイドブックを送って下さいます。(なので出店申し込みの際に記入する住所はくれぐれもお間違い無いように!)
これでいよいよ出店当日を迎えるのみです。
⑥ゲームマーケット参加
さて、ここから出店当日のお話。分からないことだらけではあったものの、ここまでなんとか漕ぎ着けた我々でしたが、初の東京ゲームマーケット、一言で言うと・・・非常に課題の残る内容でした!
我々が現場で感じたことを書き出してみようと思います。
1、“のぼり”やタブレットによる宣伝!
2、行く人数が少なすぎた!
3、試遊台はあってよかった!
4、イラスト(ゲームの伝え方)は重要!
ざっと思い付くだけでこんなところでしょうか。1つずついきます。
1、“のぼり”・タブレットによる宣伝!
まず会場に入って最初に目を奪われたのは、他のサークルさんが試遊台の前や会計台の後ろに置いている宣伝用の“のぼり”でした。自分たちも一応、100均で買ったA4サイズの写真立ての中に宣伝チラシ的なものを入れて置いておいたのですが、いやーあののぼりはインパクト大ですね。「その発想はなかった!」と思うのと同時にちょっとだけ「それアリなんだw」とも思いました。(笑)
もちろん、スペース的に周囲の邪魔になってしまうようなモノはNGだと思いますが、ある程度までのものなら大丈夫そうだったので、いつか自分たちもやりたいなと思いましたね。
のぼりは用意するにしても制作までになかなかの労力とコストを要するでしょう。しかし、会場にはもっと敷居が低くて実用的なモノが見受けられました。それがタブレットによる動画での宣伝です。ゲームのちょっとした紹介動画を作成しておいて、試遊台の空きスペースにタブレットを置いて動画を流しておく。これが凄かったですね。隣のサークルさんがまさにそれを実践してらっしゃったのですが、呼び込みをしながら横目で「なるほどなぁー!」と感心。通り過ぎる人のほとんどが、足を止めないまでも必ず一度は目で追っている印象でしたね。コレは次回絶対やりたい。
2、行く人数が少なすぎた!
前回お伝えした通り、我々CreaGemはメンバー2人のサークルです。意気込みだけで言えば「別に2人でも何だってやれるわ」って感じなんですけど実際会場で売るとなるとちょっと無理がありましたね。(笑)
どういうことかと言いますと、我々が応募したブースは「試遊台あり」のところでして、「最大8人まで座れるタイプの試遊台」が置かれたブースだったんです。(テーブルのサイズは4人がけ用など、もっと小さいものもあります。)
だいたい4人1組で試遊台に来てもらうことを考えると試遊台に2組のお客さんたちをお迎えすることになりますが、それに対して私たちは2人しかいないので1人が「レジ係」になるともう1人がこの2組のお客さんを両方見てあげないといけなくなります。正直甘く見てましたけどはっきり言ってこれは無理です。(爆)
単純な話、最初に来てくれた方々にゲームの説明をしている最中に別の方々が来てくださるだけでももう厳しいですし、3人でいらっしゃった方々の中に自分も人数合わせで入って一緒にプレイすることもあるんですね。こっちがどんなにあたふたしていてもレジ係が場を離れるわけにいきませんし。
さらに言うと、お客さんは限られた時間の中でちょっとでも気になったゲームをいっぱい遊びたいわけです。なので説明に時間がかかってしまうような状況を作るのはもちろん、一度その場で「今遊べないならいいや」と思われてしまったらアウトです。あとは遊ばないまでも話が聞きたいというお客さんに対応する係のスタッフも必要かもしれません。
他のサークルさんがどうだったかと言うと、実際4人くらいでいらしている方々が多かったかなーと思います。中には(恐らくですけど)売り子専門の人をバイトで日雇いしていらっしゃるサークルさんもありました。
しかし我ながらこんなこと事前に予測できただろと思うんですけどね。これは行ってから学ぶようなことじゃなかった気がします・・・。
と、言うわけで我々も次回は絶対、3人以上で行きます!(弱気)
3、試遊台はあってよかった!
これはもう言うまでもなくって感じですけどね!これはあくまで試遊台ナシのブースを選ぶ方々に反対しているわけではありませんが、個人的にはもう試遊台ナシのブースを選ぶ理由って何かあるのかな・・・?って思っています。我々のように人数が足りないなどの理由は多少あるかも知れませんが、基本的には試遊台があって損することはないでしょう。金額的にはどうかと言いますと、私の申し込んだ8人掛けテーブルは約12,000円くらいです。まぁ、分かります。ちょっと高い気もしますよね・・・。で・す・が!何万円もかけてせっかくゲーム作ったのにここをケチってしまうのはちょっと!節約とは違う気がします。
あと個人的には試遊台で遊んでもらってる光景はめちゃめちゃいいですよ。賑わいがあって周囲の人も興味持ってくれます。
4、イラスト(ゲームの伝え方)は重要!
これも当たり前の話になってしまいますが・・・。絵は重要です!
例えば今回我々が持って行った「あっぱれ!トノサマガエル」。私は呼び込み用に外箱とカードを2〜3枚持って試遊台の前に立っていましたが、お子さん連れのご家族からは結構注目を頂けました。これは私が呼びかけている言葉に反応しているのではなく、ぶっちゃけてしまえば単純に子供受けの良いイラストだったからです。同じようにレジ側でもカエルのイラストを見て興味を持ってくださっていた方は結構いらっしゃったみたいです。
個人的な見解ですが我々のような無名サークルのゲームに興味を持つきっかけの大半はやはり見た目なのではないかと思います。なんでしょうね、ツイッターのタイムラインを流し見している時の感覚に近いと言うか・・・。
私なんかは特にそうなんですけどツイッターを何気なくパッパッパと流し見しているときに大抵ちょっと気になるツイートと言うのは、いわゆるバズっているツイートや画像・動画が付いているツイートなんですよね。ゲームマーケットの会場巡回もそれに似たようなことが言えるんじゃないかと思っていて、要は「無名サークルは見た目で集客しろ」ってことです。これが全てではないにしても、ゲームのコンセプトがデザインに全面的に出るものであるべきです。マジで。
「これどんなゲームですか?」と言うご質問、ありがたいことに会場で結構頂きました。私がルールのお話を始めて最初のうちは真剣に聞いてくれているのですが、その興味の大半はどうもイラストのカエルちゃんたちのようで。ルールよりも最終的には「このカエルかわいいですねー」みたいな話に変わっていくんですね。
レジ側のコウノ君もイラストをキッカケにルールの説明を迫られることがあったそうです。←コウノ君曰く「これって〇〇〇〇ガエルはいますか?」と、なかなかマニアックなカエルの名前を出されて困惑してしまったそうです。(笑)
では次に、持ち込んだもう一方のゲーム、「黒蛇神社」はどうだったの?と言う話に移ります。
結果から言うと・・・売れ行きはカエルゲームの半分程度でした。(泣)
正直なことを言いますと、私はカエルよりもこっちのヘビの方が「イケる」と思ってたんです。理由は単純にこっちの方がボードゲームとしては間違いなく面白いからです。こう言わないと話が進まないので敢えて言いますが、黒蛇神社のゲームシステム自体は我ながら結構自信があります。心理的な陽動や駆け引きが好きな人には絶対ウケるはずだし、会場に来るのはどっちかっていうとご家族連れよりそういう心理戦が好きなユーザー層だと思っていたので、当初の個人的予想では売れ行きは【カエル1:2ヘビ】って感じだろうなーと考えていたんです。
ところが、結果は逆でこっちの方が足を引っ張る結果になってしまいました。話が若干被りますが、これが売れなかった理由は大きく分けて2つあって、「ゲームの説明がうまくいかなかったこと」と「見た目だけで魅せられる物になっていなかったこと」が挙げられるでしょう。ゲームの説明については大半がスタッフ数の問題に起因するところが大きいのですが、最大の難点は「言葉だけで面白さを伝えるのがめちゃムズい内容だった」っとことです。これは多分実際にやってもらわないと本当に分からない。1プレイ15分はかかる上にスタッフも一組分しか接客できないと言う状況がもうダメダメだったかなと思いますね・・・。
もう一つが本題の「見た目」です。いや、はっきり言ってパッケージイラストはだいぶいいんじゃない?って思うんですよ。鳥居と蛇の渋さや怪奇的な感じは伝わると思うんです。ただ内容物をカエルのゲームと横並びにして見たとき、なんというか華やかさがないんですよね。
↑カエル
↑ヘビ
こんなに赤裸々に言ってしまっていいのだろうかと思い始めましたが自分への戒めのために。(爆)
1つ誤解しないで欲しいのは、「面白さが伝わりにくかったなーと言う話をしているだけであって、実際遊んでくれたら絶対面白いから!」ということ。話戻ります。
ご覧のようにですね、カエルちゃんは1枚ごとに背景絵まで全て変えていて彩がありますが、ヘビの方は怪奇的なテイストやシンプルさにこだわり過ぎてしまい、なかなか見た目から入ってもらいづらい内容になってしまったかなーと。このゲームは神様の祟りに遭う巫女たちのお話なのですが、それが文字通りただのお話になってしまっていて、言葉で伝えないとその世界観が分かりにくい状態だっだんですね。前述の通りコンセプトが全面的に出るデザインとはこのこと。絵で分からせるという観点から、コンポーネント内にもっと具体的な描写を用意しておく必要があったかも知れません。例えば「実際に祟りに遭う瞬間の絵」とか「生気を喰われて廃人になった巫女さん」とか、一目で「あ、これホラーゲーなのかな?」なんて思ってもらえるようなもの。システム上は必要なくても遊んでもらうためには必要なんだと知りました。
⑦まとめ
さて、ここまで約5900文字。(細)
前編から読んでくださった方、長いことお付き合い頂きありがとうございます。後編だけ見たと言う方、前編のが為になりますよ。
いかがでしたでしょうか。自分で書きながら新たな考えにたどり着いたり、改めて振り返ってみて反省点がはっきりしたりと自分にとってもいい機会でした。私は「よしやるぞ」と思ってからすぐ「やっぱいいやw」となってしまう人間なのでなかなかこのボリュームの記事は書けません。この最後の文を書いている今もだいぶ頑張ってます。
しかしそんな私でもこのゲーム作りは苦にならずにやり遂げることができました。人間、モチベーションで解決しないことなんかないと信じて現在も新たなゲームの制作やイラスト依頼の受注に励んでおります。
最後になりますが、次回作はこれらの経験や反省を活かしてもっともっと良いもの作ろうと思ってます!是非、我々CreaGemの今後にご注目下さい!
以上、「アナログゲームが1つできるまで」でした!
またね!
↑次回作 「マスターさん つぎ、どうします?」東京ゲームマーケット2019秋出店。
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